事務所は道路に面した風通しの良い田舎。
まわりは田んぼや学校があったりと、のどかな田園風景が広がる。
会社に面した道路は田舎の中では比較的交通量も多く、市街地へとつながる道路へと拡張されていった。
会社の前の田舎道は救急車が市街地へと抜ける道だった
師匠は顔が広く、隣近所の会社でも挨拶と一言二言の会話を怠らない。
小さい時から会社を営む両親のそばにいた事もあるのか、世間話も弾んでいた。
中には子供が都市部へ住み、老夫婦で頑張っている後継ぎがいない会社もある。
そんな地域のつながりを感じる今日この頃、いつものように事務所で仕事をしていた時の事だった。
よく通る救急車のサイレンの音にもすっかり慣れてしまい、また救急車だなぁ、程度の事しか頭をよぎらなくなっていた。
しかしこの日はよくとおる。
2回、3回といつもとは違うサイレンの鳴り方でもあった。
仕事にどれだけ集中していても、いつもと違う空気を察する能力がある
スーツマン的には特に普段と変わらないサイレンに聞こえたが、上司の一声でそういえば・・・と感じる事があった。
K上司「なぁ、さっきのサイレン、ものすごく近くで鳴り始めなかった?」
スーツマン「そういえば・・・・そんな気がします・・・・」
たしかに、言われてみればいきなり大きな音でなりだした事が頭の中で感じなおせた。
K上司「なんかあったのかなぁ・・・」
そんな時、師匠が戻ってきた。
K上司「さっき、救急車が近くでなってたよね??M会社さんちゃうかなぁ??」
M会社さんとは冒頭にも載せた近所にある老夫婦が営む会社の事である。
師匠「自分もそう思いまして、1回目のサイレンの時、途中で音が消えた気がして心配になって見に行ったんです。
でも大丈夫で元気でした。」
K上司「あぁ、そうなんや!そりゃよかった!」
なんだか自分がとても小さく感じてしまった。
何ともないサイレンだと感じていたのに、ある人は敏感に感じ、そして行動をすでに済ませている。
さっきまで一緒に席に座って仕事をしていたのに、周りに感づかれることなく。
感銘を受けた。
何事も常にアンテナを張っていることは難しいが、いつもとは違う事を瞬時に感じとるセンス、
これは磨きたいと思った。
思いやり、これが世の人の心にあるものだが、瞬間行動ができれば住みやすい、働きやすい街になるのだろうか。
スーパースーツマンになるために、まずはアンテナを磨いていこう。
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