ガシャン、プシュー。ガゴガゴ・・・
けたたましい音が耳をつく中、人々は責任感に汗を垂らしながら部品の検査をしている。
真夏にもなればそれはもうウォークウエアがびしょびしょになる程の蒸し風呂のようであるが、精密部品の検査はクリーンルームで行われる。冷房完備で快適だ。
これは、ある自動車部品の製造メーカーに勤務した時の感銘話だ。
残業の知らせ
この仕事で、初めてライン作業という言葉が、体で理解できた。
今まではテレビや雑誌、体験談などでしか耳にした事がなく、どういうものかを想像するしかなかった。
人々が一列に機械ラインの前に並び、サイクルタイムという決められた時間の間に工程をクリアさせ、次へ流していくという作業であるが、
少しでも眠気を感じたり、考え事をしただけで、どんどん自分の前に製品がたまっていってしまう。
これを、やく3年間。
たたみ半畳ほどのスペースでしていた事は、今でも努力の栄養源になっている。
ライン作業は、一人でも人が抜けると機能を果たせず、交代の人員が必要になる。
機械がエラーとなり、手直しが必要だったり、ラインの機会に材料を補充、調整とさまざまな作業が絡み合うが、
当時のHさんはとても頼りになる存在だった。
Hさん「ごめん、スーツマン今日残業できないんだったよね??」
この時期はちょうど各地でお盆祭りが催される事もあり、自町内でもこの日会合が入っている為、定時で上がる事を報告はしていた。
スーツマン「そうなんですが、一度聞いてみましょうか?」
Hさん「Aさん体調が悪いみたいで定時で上がるんだけど、2人抜けるのは非常に痛くて一回お願いしにきた!」
スーツマン「わかりました、次の休憩で一度聞いてみます!」
快適とはこういう事だった
お盆祭りの会合は基本一家一人の参加であり、事前に出席もとられていたので基本は集会に参加しなければいけない。
というのが町内会長の言葉だった。
クリーンルームにいたHさんには、そのままの言葉で伝えた。
電子顕微鏡で製品をチェックしていたHさんは手を止め、自分と向き合い、こういった。
Hさん「オッケー!(とても大きな声で)まえから言ってたことやし、電話できいてくれたんやね。
自分に甘えてたんやとおもう!ここは俺にまかせてくれ!ほんまにありがとう!」
次の日残業にいた人に聞くと、二人分の検査工程を一人で行き来しながらこなし、機械のエラーや材料の補充、すべてを笑顔でてきぱきとこなしていたそうだ。
快適という言葉は自分でも使ってはいたが、愚痴もためいきも、表情にも出さずにこなしていたHさん。
あの時の、「オッケー!」が今でも頭から離れない。
そんな言葉が自然に快適に使える、スーツマンになりたい。





















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