スーツマンは年に2回ほど中国へと出張があり、そこで現地の中国事務所のスタッフともコミュニケーションが取れる大変貴重な時間でもある。
帰国の前夜には、お互いのお土産を交換したりするのも、また楽しみな時間。
今回は現地スタッフの一人、Sちゃんが出産後の復帰を果たした初めての再開とあって、みんなで送ろうなどの打ち合わせもなかったのだが、一応用意しておこうと買っておいた物があった。
出国の日
いつも出国の際、師匠とは便が違う。
この日は企画の子と同じ便であったのでSちゃんの出産祝いについて聞いてみた。
スーツマン「Sちゃんとさ、出産後初めて再開するけどなんかもってきた??」
企画の子「はい、いちおう簡単なものですが気持ち程度に持ってきました笑」
スーツマン「よかったぁ~みんな何も言わないからさ、一応もっていって、その場の雰囲気みて渡せたら・・・っておもって。」
企画の子「師匠も用意してますよねきっと?」
スーツマン「そりゃぁ当然でしょw 一番付き合い長いんだから笑」
ここで師匠はプレゼントを用意してきているという思い込みが生まれてしまったのかもしれない。
現地につき、師匠御一行が空港へと迎えに来てくれた。
現地時間では17時。すでに辺りは暗かった。
いまだに中国での行動は慣れない。
やはり日本とは違うといった自覚は常に持つべきだという誰かの教えを、信じて守っているからか。
しかし、信頼しあった仲間といるときは、たとえ国外であったとしてもそれを忘れてしまうくらい安心して過ごす自分もいる。
そんな仲間の出産祝い、日中は移動やミーティング、視察が多いので、夕食後などいつ渡すタイミングが来てもいいように、手提げかばんに入る邪魔にならない大きさのものを用意した。
いよいよ、お祝いを渡すタイミングに
滞在期間中はお祝いのタイミングが持てず、帰国前夜に、視察の写真や資料のまとめの為にSちゃんの部屋に集まる際に渡す恒例の流れになった。
おそらく各自持ってくるだろうと用意をして。
窓から入る夜風がすっかり気持ちいい時間、動き出した。
企画の子「Sちゃん実はほんの軽いお気持ちですが出産おめでとう~♪」
スーツマン「いつものお土産と変わらないけど、出産おめでと~~」
師匠「・・・・・・!??」
そう、師匠は手土産をこの場では用意してなかったのであった。
師匠のとっさの行動~判断・決断力
実は中国事務所側でお祝いを上げ、本社からも祝い品は送られていた(たぶん)ので、今回は仲間内からの気持ちであり、恒例のお土産交換会でもあった。
しかし師匠は、その場の雰囲気を壊さず、誰のせいにもせず、すぐさま自分の財布を取りだした。
すると1万円札を取り出して、なぜ出てきたんだろうと思う封筒にすっと入れて渡した。
師匠「おめでとう!元(RMB)に両替すれば大丈夫だから笑」
もしも自分が同じ立場であったら、忘れたことを謝って終わっていたに違いない。
そして今度ちゃんと贈るよ、などといってその場を切り抜けようと防衛していたと思う。
しかしながら、師匠のさっと出せるその判断というか決断力。
財布に1万円が入っていることも、封筒があったことも計算だったのだろうか、それとも偶然・・・
帰りの飛行機は同じであったので、聞いてみる事にした。
師匠「後のことは考えてないよ。お祝いの気持ちを表す方法を思いつこうと、最初に出てきた考えで行動しただけ。1万円も入っていて、なぜか封筒もあったので自分でもびっくりしたね。」
のちに出てくる選択を待たずして、最速の初めの策での決断。
最強の迷いがない決断力だ。だからこそ、運も味方するのだろうか。
きっと、そこでまた壁があろうとも、すぐにまた選択を決断に変えて実行し続けていく。
迷いのない決断が必要な場面はあることを、目前にして教えて頂けた。
どんな時でも全力思考。それがスーパースーツマンなのか。
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