Ankiのフォーラムを眺めていたら、もし自分に起きたらと思うとゾッとする投稿を見つけた。
タイトルは「Important deck deleted(重要なデッキが消えた)」。投稿者はAnkiWeb上で誤って重要なデッキを削除してしまい、その後AnkiDroidを同期したら、削除が伝播して数ヶ月分のデッキが跡形もなく消えてしまったらしい。Ctrl+Zも、バックアップからの復元も試したけどダメだったと書いてあった。
自分は8年間、毎日Ankiを使い続けている。単語カードだけでも数千枚、しかもClaude Codeで自動化した仕組みまで積み上げてきた。こんなこと自分に起きたら…と想像しただけで血の気が引いた( ゚д゚)。ゆうなれば一生懸命カスタムしてきた車やバイクが一瞬でなくなってしまったり、ゲームでこつこつ貯めてきたデータが消えてしまったり・・・
他人事にできず、実際に自分のバックアップ運用がどうなっているか、一度ちゃんと調べて確認してみることにした。

何が起きたのか──AnkiWebで消したデッキが、同期でそのまま消えた
投稿を読み直すと、状況は割とシンプルだった。
- AnkiWeb上で重要なデッキを誤って削除
- その後AnkiDroidを同期
- 削除がAnkiDroid側にも伝播し、数ヶ月分のデッキが消滅
- Ctrl+Zを試すも復元できず
- バックアップからの復元も試みるが失敗
投稿された時点(2026年9月10日・11日)では、モデレーターが「そのデッキはAnkiWeb上で直接作られて、数ヶ月同期していなかったのか?」と状況確認をしているところで、確定した解決策はまだ出ていなかったけど、この投稿者は今もまだ、デッキが復活するかどうかわからな状況ということに。 復活してほしい・・・・
なぜ消えたのか、Ankiの仕組みを調べてみた
最初は「バックアップの数が足りなかったのかな」くらいに思っていたんだけど、でもそれでも、古いバックアップからもどせるよねって。たしかいくつかリビジョンが保存されていくとおもったしどういう状況でそうなったんだろうって。
公式マニュアルを読み込んでいくうちに、根本の原因はバックアップの「数」じゃなくて「どの端末を使っていたか」だった、というのがわかってきた。
Anki Desktop版の自動バックアップが実は最強だった
今回初めて知ったんだけど、Windows・Mac版のAnki Desktopは閉じるたび、または同期するたびに自動でバックアップを作成してくれる。しかも日次・週次・月次でそれぞれ保持する世代数が設定できて、デフォルトだと合計で30世代分も残る仕組みになっているらしい。
30世代って、ちょっとやそっとじゃ全滅しないレベルの安全網ですよね。ただし音声ファイルや画像は含まれず、カードの中身と学習情報だけが対象とのこと。まぁそれでも十分すぎるくらいありがたい話だと思う。
AnkiDroid・AnkiMobileのバックアップは、実は条件付き
一方、投稿者が使っていたAnkiDroid(Android版)にも自動バックアップ機能はある。ただし保存先はデフォルトで端末内のストレージ(`/storage/emulated/0/AnkiDroid`)。つまり端末が壊れたり初期化されたりしたら、バックアップごと道連れになりかねない場所ということになる。iPhoneのAnkiMobileも似た仕組みで、自動バックアップはあるものの音声・画像は含まれない。
投稿を読む限り、投稿者はAnkiWebとAnkiDroidだけで運用していて、Desktop版を一度も使っていなかったっぽい。つまり、さっき書いた「30世代の自動バックアップ」という一番強い安全網の外側で運用していたことになる。個人的には、これが今回の事故の一番の原因だったんじゃないかと思っている。
同期(sync)は「守ってくれる仕組み」じゃなかった
もうひとつ、地味に怖いなと思ったのが同期の挙動。公式ドキュメントによると、レビュー履歴やノートの編集は両方の変更をマージしてくれるけど、カードやデッキの削除はマージ対象の「編集」とは別枠で、そのまま反映されるらしい。AnkiWebはあくまで各端末の内容を一致させるための中継地点であって、それ自体が独立したバックアップというわけじゃない。削除すれば、その削除ごと律儀に全端末へ配ってくれる、というだけの話だった。
さらに、フィールドの追加やカードテンプレートの削除みたいな「統合できない変更」をすると、同期ボタンが赤くなって「ローカルを採用するか、AnkiWeb側を採用するか」の二択を迫られる(Full Sync)。ここでうっかり選択を間違えると、片方の内容がまるごと上書きされる。今回のケースがこれに該当するかは投稿だけじゃわからないけど、少なくとも「同期は安全に守ってくれる仕組みじゃなくて、変更を正確に伝える仕組み」というのは覚えておいた方がよさそうだ。
「バックアップがある」と「復元できる」は別の話
もうひとつ地味に刺さったのが、投稿者が「バックアップからの復元も試したけどできなかった」と書いていたところ。バックアップの存在そのものより、いざという時に本当に復元できるかどうかは、実際にやってみるまでわからない、というのが一番怖いポイントだと思う。
古いバックアップが「usable」じゃなかった、という書き方をしていたのも気になった。世代が古すぎて今のデッキ構成と合わなかったのか、そもそも壊れていたのか詳細はわからないけど、「バックアップフォルダにファイルが並んでいる=安心」と思い込むのは早計なんだなと痛感した。
自分の運用を棚卸ししてみた
ここまで調べて、いよいよ自分の環境を確認する番。
自分は普段、Mac版のAnki Desktop、あとはiPhoneでのAnkiをメインで使っている。つまりさっきの「30世代の自動バックアップ」の恩恵を、知らないうちに受けていた側だったらしい。設定画面とバックアップフォルダを開いて確認してみたら、ちゃんと日付ごとに複数世代分の`.colpkg`ファイルが溜まっていた。正直かなりホッとした( ̄∇ ̄)。
保持世代数の設定も一応確認してみた。デフォルトのままだったんだけど、日次・週次・月次それぞれ何世代残すかは自分で数字を変えられるようになっている。正直今まであまり気にしたことがない設定画面だった笑。8年も使っておいて、あまりみないって・・・ ほんとうの財産ってこういったデータでもありますもんね。

確認している中で反省点もあった。手動でのフルバックアップ(メディア込みの`.colpkg`エクスポート)を、AnkiWeb以外の場所に定期的に保存する、というところまではやっていなかった。自動バックアップはあくまで同じPCの中の話で、そのPC自体が壊れたり盗まれたりしたら意味がない。8年分の単語カードが一瞬で消える想像をすると、さすがに背筋が寒くなる。
思えば8年間、毎日コツコツ単語を打ち込んできて、その作業がさすがに大変すぎて、Claude Codeに単語登録そのものを任せる仕組みまで作ったくらいの量になっている。
毎日300枚・1.5時間というルーティンで回し続けてきたデッキが、もし本当に消えたらと思うと、日々の積み上げがまるごと吹き飛ぶ話になる。デッキの重複整理をClaude Codeにやらせた記事を書いたときも思ったけど、Ankiのデータって気づかないうちにどんどん複雑に育っていくので、バックアップの話は後回しにされがちな気がする。
なので今回、月イチくらいのペースで`.colpkg`をエクスポートして、PC内のバックアップフォルダとは別の場所にも保存しておくルーティンを追加することにした。地味な作業だけど、8年分の積み上げを守るコストとしては全然安いと思う。
結局、自分たちにできることは何か
今回調べてわかったことをまとめると、こんな感じになる。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| Desktop版を使っているか | 使っていれば閉じる・同期のたびに自動で30世代分バックアップされる |
| バックアップの保存場所 | 端末内だけでなく、外部(クラウド・別ドライブ等)にも定期コピーがあるか |
| 手動フルエクスポート | メディア込みの`.colpkg`を月1回程度エクスポートしているか |
| 削除前の確認 | デッキ削除は同期でそのまま伝わる。実行前にもう一度見直す |
| 復元テスト | バックアップがあるだけで満足せず、一度は実際に復元操作を試しておく |
Desktop版を使っていない人、特にAnkiWebとモバイルアプリだけで運用している人は、一度Desktop版をインストールして同期し、バックアップフォルダに`.colpkg`が溜まっていくのを確認してみることを強くおすすめする。たった一度同期するだけで、30世代分の保険がかかるというのは、コスパが良すぎる話だと思う。
あと、これは自分への宿題でもあるんだけど、「復元テスト」は絶対にやっておいた方がいい。今回の投稿者もバックアップからの復元を試みて失敗していたわけで、いざという時に初めて復元手順を触るのは一番リスクが高い。テスト用の適当なデッキで一度復元操作を練習しておけば、本番で慌てずに済むはずだ。
自分も8年目にしてようやく、自分のバックアップ運用をちゃんと言葉で説明できるようになった。Anki、正直めちゃくちゃお世話になっているツールなので、これを機に同士の皆さんも一度、自分の環境を確認してみてほしい。





















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